クラウド環境への移行

Highlights

  • 拡大し続けるレガシープラットフォームに伴う苦労から救うために新しいプラットフォームに移行するための初期の痛みに耐える決断をする
  • クラウドに移行するに当たって、セキュリティとプライバシーに関心を持った
  • 結局、クラウドに移行したのは、Eメール、スケジューリング、共同作業リポジトリー、販売管理、販売予測、リソース管理 のシステムである。
  • 既存の情報システム要員をより高付加価値の作業に移動させたことも含めて、運用コストを低減することが出来た。
  • 当初には期待しなかった効果も得られた:チームコラボレーション、会社情報のより容易な更新、従業員情報の検索機能の改善、従業員が自ら有益なアプリケーションを開発る為の分かりやすいAPI、他のレガシーアプリケーションも移行させようとの勢い

コーポレートシステムをクラウド環境に移行する

ThoughtWorks社は、Eメールやリソース管理を含む中核的なビジネスアプリケーションをクラウドベースのソリューションで置きかえました。セキュリティ、アプリケーションの未熟さ、そして変更管理という課題を克服して、我々の経験は、グローバル企業においてSAAS(Software as a Service)を使うことの利益と難しさの両方を明らかにしました。従業員の作業効率、セキュリティ、そして保守費用の面での改善は、非常に早いうちに実現することが出来ました。そして、以降の結果として思いもよらなかった顕著な効果が確認できたのです。


ThoughtWorksは、中堅のITサービス会社で、世界中に15以上の分散オフィスを持っています。我々は、ビジネスに欠かすことの出来ないアプリケーションのアップグレードを引き延ばすことを進めてきました。このようなアプリケーションとしては、Eメール、スケジューリング、リソース管理、売上予測、販売管理、要員管理等があります。顧客の会社の成長に対してEメール(Lotus Notes)およびリソース管理(顧客独自ソフトウェア)をどのように追随させるかを考えるうちに、我々自身が顧客自身になったつもりで振舞うようになっていました。我々は、クラウドの急成長している利点を活用することを選択し、この二つのアプリケーションを”Google Apps” と “Salesforce.com” の組み合わせで置き換えることにしたのです。このケーススタディは、このわれわれの決断に伴う挑戦と得られた効果をまとめたものです。


Notesアプリケーションには、色々な改造が加えられており、また、リソース管理については、販売管理、財務管理、人員管理との連動のための範囲の逸脱・侵入(Scope Creep)があり、この置き換えは複雑なものになりました。元のリソース管理システムの機能は、実際に3っつのツールに分割されることになりました。販売管理機能は”Salesforce.com”で置き換えられ、他に販売予測とリソース管理をこの”Salesforce.com”と統合するために二つの新しいモジュールアプリケーションが作成されました。

セキュリティ、プライバシーの確保に苦労

我々はEメールとスケジューリングについては、Googleに移行しました。開始当初において、我々は、共有化されたクラウド環境下において顧客情報を管理する上での安全性とセキュリティを確保するためにプライバシーポリシーとセキュリティアーキテクチャについて慎重にレビューしました。データはクラウドとの間で移動でき、アクセスすることが出来ました。我々の調査の結論は、Googleとの間でのネゴシエーションのやり直しをもたらしました。我々の最後の改善要求では、Googleの公共的ディレクトリーから、会社のコンタクト情報を分離して簡単な”Corporate Address Book(会社のアドレス帳)” を早急に作ることを入れました。

ある程度の痛みを伴ったが、得るものも大きかった

二つのアプリケーションの移行はしかるべき痛みなしにはすみませんでした。


Googleへのカットオーバーに向けてテストが行われ、3か月の準備が行われました。しかし、パイロットチームが準備完了であることを合意した後も、技術的に理解の足りないユーザからの要求の声が大きくて、IT部門の力だけではこれらの要求に対応することは困難でした。その結果として、顧客の会社の従業員がこれらを支援するためのボランティアとして働くように依頼されたのです。


このボランティアとしての従業員の支援は強力でした。カットオーバーから数日にして、ポジティブフィードバックが掛かるようになったのです。Salesforce.com と Google クラウド環境への移行は、全ての人が触り、利用してきたシステムを更新しました。そして、それだけでなく、急速なカスタマいぜーションにより、古いレガシーアプリケーションを引退させ、新しいやり方でその代替を組み込んで、新しい価値を生み出す機会を創出したのです。その他にも膨大な数の新しい利点が生み出されたのです。

予想外の利益

Eメールとスケジューリングにおいて、Google Apps を使うことは、以前はEメールや打ち合わせの案内状に添付されていた沢山のドキュメントが、今や、一か所に格納された一つの(複数のコピーではなく)共有Googleドキュメントへのポインタに置き換えられることになったのです。このことはネットワークの負荷を著しく軽減し、また、どれが最新のバージョンのドキュメントであるかの混乱をなくしたのです。Google ドキュメントは、virtual meeting において、Webex-typeの単純な形式での協業を可能とします。最新状態のドキュメントやスプレッドシートをコンファランスの参加者の間で共有し、誰でもがそれを更新でき、他の参加者はその結果を殆どリアルタイムで参照出来るのです。更に、Googleドキュメントでは、変更を追いかけ、ノートをとるということは、会議の終了時に結果は整理され参加者全員の手に入るということに置き換えられるのです。時間が浪費されることがなく、meeting のノートを数時間、あるいは数日後に配布するためにメモリーが浪費されることもないのです。


従業員達は、会社内のドキュメントの優れた検索機能を持ったことに感心し、また、救われた思いを持ちました。それまでに使っていたLotus Notesも、Microsoft Helpも、Apple Mac Spotlight searchesも、どれもが十分な機能を果たせず、成果を出せないでいました。従業員達は、いまや、Googleの信頼できる高速検索機構を使って、ドキュメントを共有できるために、従来、個人フォルダーに持っていた個人情報を削減するようになったのです。


会社にとって予想外の効果は、従業員達がプロジェクトや会社のデータおよびアプリケーションを容易に正しく更新するようになったことです。沢山のレガシーアプリケーションを共通モジュールへと融合させたことは、従業員のプロファイル、ケーススタディ、販売支援資料他の資料を最新のものに保つことに繋がったのです。これらの資料は、それを必要とする者にとって、簡単に見つけられ、アクセスできるようになったのです。我々の社内ウェブサイトは、今や多様なリポジトリーに直接的にアクセスし、ケーススタディ、blogs,主要な人物のプロファイルのリポジトリーを更新する作業量を削減したのです。

Mashupsおよび高速イボリューション用のクラウドアプリケーション

企業用のクラウドベースアプリケーションでは、顧客が既に社内に保持しているあらゆるものを容易に統合出来なくてはなりません。Salesforce.comとGoogleアプリケーションの上手に定義されたAPIは、従業員達に多様な作業をするgadgetsを自ら作成し、また仲間とそれを共有することを励ましたのです。それにより、生産性は当初の計画よりもはるかに改善されたのです。これは、結局、mashupsの力を企業運営の中に取り込んだことになったのです。


これらのアプリケーションは新しい機能をもたらし、かつそれに伴う不良は短時間で修復されました。これは、社内IT専門サポートチームよりも速かったと言えましょう。我々にとって、Googleの高速繰り返し支援機能は、プロジェクトの開始時には(Microsoft OfficeやOpen Officeと比べて)未熟なものであってもユーザが容易に受け入れることを可能にしました。プロジェクトが進むにつれて、従業員達はしばしば、昨日に動かなかったものが今日になって動いたり、次の週に動いたりするのを経験したのです。

オープンスタンダードの方針、広範囲のサポート方針

独自の通信ソフトウェアにこだわることなく、Googleメールとカレンダーには、Blackberry, iPhonesおよびGoogle phoneのどれでもが、全くシームレスにアクセス出来ます。我々は、Blackberry Enterprise Serverの契約を解除するオプションを保持しています。もしもそれが出来れば、大変なコストおよび人員の削減が可能になります。しかし今は、少数のBlackberryユーザのために、置き換えアプリケーションがスケジューリングやpeople-lookup機能において十分な機能を提供出来るようになるまで、契約解除を待つことにしています。

続き

我々はクラウドアプリケーションの急速な改革(イボリューション)の恩恵を受け続けるつもりです。セキュリティは、我々の巨大な、変化を続ける作業空間にとって必須のものです。時とともにより多くのデータがクラウドに移行されると共により少ないデータがラップトップの中に残って、失くしたり、盗まれる危険を減らし、ハードディスクの暗号化にお金をかける必要性が無くなるのです。


置き換えシステムは保守コストや運用コストを著しく削減しました。また、アプリケーションが高速に変革されるにつれて、その他の、非コスト的な利益が継続的に得られています。今後の予定では、電話の使い方を根本から見直すこと、外部のウェブサイトを利用すること、そして、クラウドの機能による長所を更に引き出すための情報リポジトリーを検討することになっています。これらは更に大きな節減を約束してくれています。

原文:Case study - Moving corporate system to the cloud(ThoughtWorks社サイト)

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