情報技術の発展とともに医療機関にはさまざまな情報システムの導入が進んでいます。これら医療システム間は相互に接続され、効率的な診療や医事会計業務が可能になっています。医療費の削減が叫ばれる昨今、これら施設内におけるシステム間の連携に加え、患者がどこからでも自分のカルテを参照できる生涯カルテや、平成20年度から義務化される特定健診(メタボリックシンドロームの予防健診)など、施設を超えた医療システム間連携のニーズが高まってきています。
テクノロジックアートでは安全かつ確実な医療情報連携を支援いたします。
従来の施設内における医療情報システム間の連携は、接続範囲が限定的だったこともあり、医療システムベンダ間が接続の都度、その方式などの調整を行っていました。しかし、施設を超えて診療録・紹介状・処方せんなどの医療情報を交換する場合、その接続先は多岐に渡ることから、従来のような都度の接続対応ではコストがかかりすぎて現実的ではありません。これを解決する手段が標準技術の採用です。標準技術を採用することで、都度の接続対応を最小限に抑えることが可能になります。
また、もう1つの課題は安全性の確保です。従来は病院内など施設内ネットワーク上の連携だったこともあり、伝送路の暗号化などは必要ありませんでしたが、施設を超えた連携では、十分な安全性の対策が必要になります。
接続方式 | データ形式 | 通信 プロトコル |
安全性 の要求 |
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施設内連携 | 独自の方式を都度検討 | CSV、固定長 | TCP/IP 等 | なし |
施設外連携 | 標準の採用が必須 | XML 等 | SOAP on HTTP 等 | あり |
施設を超えた医療情報の交換においては、HL7 Ver3仕様の一部であるCDA(診療文書アーキテクチャ)やISOのEHR Communication (13606)などが優良な標準技術として存在しています。弊社は他社に先駆けてこれら標準技術を採用したシステムの開発を行い、ノウハウを蓄積しています。
医療情報システムの安全管理に関するガイドラインに基づき十分な安全性を確保します。また、弊社は、ebXML等、高い信頼性を確保できる次世代EDI技術の標準化活動に参加しており、これらノウハウを活用した医療情報交換を実現します。
UMLモデリングにより、あらかじめ医療情報交換のプロセスとデータ構造を可視化します。これにより、多数の接続先と連携を行う場合でも、毎回のネゴシエーションと設計にかかるコストが削減されるだけでなく、統一した接続形態が保たれることで、保守コストも抑えることができます。近年、医療分野の各種標準化団体も仕様策定においてUMLを全面的に取り入れています。
弊社はJAHIS(保健医療福祉情報システム工業会)や厚生労働科学研究などの標準化活動/研究活動に長年参加し、UMLを活用した病院内の業務フローモデル、電子カルテシステムのデータモデル・処理モデル等の開発を行ってきました。これらの成果の一部は書籍化されています。
電子カルテと業務革新
~医療情報システム構築における業務フローモデルの活用~
【編著】 飯田 修平、成松 亮
【出版】 株式会社篠原出版新社
医療機関によってバラバラな健康診断結果データを統一形式に変換し、医療分野の標準データ交換方式であるHL7 Ver3メッセージおよびCDA Release2文書に格納して流通させるシステムの開発を行いました。このシステムではHL7のITS(実装技術仕様)に基づき、ebXMLおよびWebサービスを採用し、安全性と信頼性を確保したデータ交換を実現しています。
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