OMGのモデリング技術

目次

メタレベル

OMG(Object Management Group)は、分散オブジェクトの基盤技術であるCORBA(Common Object Request Broker Architecture)の仕様を策定している団体として知られています。現在、OMGでは CORBAの他にUMLを中心としたモデリング関係の技術に力を入れています。その技術を図1に示します。UMLの上位にはMOF(Meta Object Facility)というUMLで使用されている構成要素を定義している技術があります。構成要素とは、文字列型、整数型やクラス、関連等の基本的なものです。MOFはUMLだけでなく、IDLインターフェースやExceptionなど、CORBA基本型のCORBAの要素も定義しています。その下のレイヤであるUMLは、モデルを表現する表記を定義しています。さらにその下には、実際に分析・設計されたオブジェクトモデルが位置しています。これは、システム開発者がシステム分析・設計を行うレイヤです。OMGのモデリング技術には、アプリケーションにしたオブジェクトから順に、M0、M1、M2、M3、というレベルが振られています。

図1 メタレベル

UMLプロファイル

OMGではUMLプロファイルと呼ばれるUMLを拡張できる仕組みを考えました。現在、UML Profile for CORBA、UML Profile for EDOC(Enterprise Distributed Object Computing)、UML Profile for Schedule、Performance and Timeなどがあります。それぞれ、CORBA用、分散オブジェクトコンピューティング用、リアルタイム用の拡張セットです。そして、UMLで書かれたモデルをCASEツール間で交換するためにXMI(XML meta-data interchange)を開発しています。XMIはモデルの情報だけでなく、一般的なデータも対象にできます。それは、データの構造はメタとしてUMLで表現して、XMIの技術によりXMLに変換するわけです。適用分野は、データウェアハウスのデータ交換、医療データの受け渡し、EDIによる情報通信等が考えられます。そして、UML、MOF、XMIはいずれもISO規格として国際標準として採用されており、オブジェクト技術の業界に留まらず、すべての分野での標準となっています。